8月 18
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私たち真宗大谷派(東本願寺)は、今、まさに行われようとしている九州電力川内原子力発電所の再稼動に対して強く遺憾の意を表明いたします。
福島第一原子力発電所事故の教訓を軽視し、他者の犠牲の上に成り立つ豊かさを享受する社会は、人間の罪への無自覚が露呈しているものといわざるをえません。
いのちは生きる場所を失っては生きられません。原子力発電に依存し続けることは、人の関係性に分断をもたらし、いのちを支える大地を根こそぎ奪い取られてしまう危険の上に絶えず生活することを意味します。
人のいのちが育まれる大地とは、人と人が共に生きあえる社会であります。むしろ、いま願われることは、被災された人々の悲しみに寄り添い、引き裂かれた関係性を回復していくことではないでしょうか。
私たちは、原子力発電に依存し続けようとする人間の愚かさや核利用をめぐる無責任なあり方を、あらためて直視しなければなりません。
真宗大谷派は、仏の真実の智慧にわが身とこの世のあり方を聞きひらく教団として、現在のみならず未来のいのちをも脅かすエネルギー政策を問い直し、一人ひとりが原子力発電に依存しない社会の実現に向けた真摯な対話を重ねていくことを強く提唱いたします。
福島第一原子力発電所の事故で多くの方々が住む場所を失い、また故郷に戻る事もできなくなってしまいました。安全に関する検証や万一の事故時の対策などが不十分な中で、原子力発電所の再稼働がなされてしまいました。暑さ厳しい今年の夏であっても電力需給は逼迫した状況ではありません。国民の安全を守るべき政府は、もっと国民の声に耳を傾けて慎重な判断をすべきではないでしょうか。太陽光や風力、バイオマスといった再生可能エネルギーを活用することで電力供給の安定化は実現可能なはずです。現政府が再生可能エネルギーの活用に消極的であることにも疑念を抱かざるを得ません。
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