お作法

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1.合掌礼拝と念珠

浄土真宗での合掌礼拝(がっしょうらいはい)は仏様の徳をたたえその恩に感謝する行いである。先祖供養のために行うものではない。仏前にお参りするときは念珠(数珠)をかける。念珠は左手に持ち合掌するときは房を下にして両手にかける。浄土真宗では念珠で念仏の回数を数えたりすり合わせたりはしない。念珠(数珠)は法具であるので床や畳に直接置かないように注意が必要である。

 

 

 

2.仏壇(お内仏)をまつる意義

仏壇は阿弥陀如来をまつるところであり、亡くなった人をまつるところではではない。先祖は阿弥陀さまの浄土から私たちを見守っていてくださる。私たちは仏壇を通して浄土を想い浄土にふれあうことができる。朝夕、仏壇に向かい礼拝・おつとめするのが真宗門徒の姿である。西方浄土に向かって礼拝できるようにということから、仏壇は東向きに安置して西向きに礼拝するのが正式だが、特にこだわる必要はない。迷信に迷わされることなく、家の中の静かでふさわしい場所に安置すればよい。仏壇を新しく求める時期も年忌法要などにこだわる必要はない。思いたったときに新調してかまわない。

3.法名と戒名

法名(ほうみょう)も戒名(かいみょう)も仏弟子の名前という点では同じであるが、戒律のない浄土真宗では法名といっている。亡くなった人につける名前と勘違いされることが多いが、本来は生前に帰敬式(ききょうしき)をうけていただく仏弟子としての名前である。生前にその機会がなかった場合には葬儀のときにいただくことになる。浄土真宗の法名はすべて二文字で表され、男性は「釈〇〇」女性は「釈尼〇〇」となる。「釈」はお釈迦様の一族に加えられたという意味である。浄土真宗では「居士」や「大姉」などの位号や長い名前はつけない。

4.位牌と法名軸

浄土真宗では位牌(いはい)は用いない。亡くなった人の法名は法名軸(ほうみょうじく)という掛軸に書いて仏壇の内側側面に掛けておく。また、先祖代々の法名は過去帳に記入し、過去帳台に置く。

5.線香のたきかた

浄土真宗では線香は立てない。香炉の大きさに合わせて短く折り、火のついた方を左側にして灰の上に横にして置く。

6.焼香の作法

念珠(数珠)を左手に持って本尊に一礼する。香を右手でつまんで香炉に入れる(本願寺派は1回、大谷派は2回)。このときに額にもちあげていただくことはしない。香をくべたら両手に念珠をかけて合掌礼拝する。最後に一礼して退出する。

7.御霊前と御仏前

お香典の表書きについて一般には通夜・葬儀では「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」とすることが多いが、浄土真宗では通夜・葬儀でも「御仏前」とする。これは、「亡くなったらすぐに仏になる(往生即成仏)」という考えからきている。

8.お悔やみの言葉

通夜や葬儀におけるお悔やみの言葉として「ご冥福をお祈りいたします」が多く用いられるが、浄土真宗では「冥福を祈る」ということはしない。これは亡くなった人を「諸仏」と見るためで、冥土という考えがないためである。浄土真宗でのお悔やみの言葉としては、「謹んで哀悼の意を表します」や「ご逝去を悼み、慎んでお悔やみ申し上げます」などがふさわしい表現である。

9.清め塩は行わない

通夜や葬儀から帰ったときに玄関先で塩をかけてもらう事を「清め塩」という。浄土真宗では人の死を不浄とする考えに基づく「清め塩」は、迷信であるとしている。このため「清め塩」は行わない。

10.墓石の表記

浄土真宗では墓石の正面に六字名号「南無阿弥陀仏」または「倶会一処(くえいっしょ)」を刻む。「〇〇家之墓」などとは書かない。また、卒塔婆は立てない。

(ひとこと)
浄土真宗のしきたりや作法には独特なものがあります。一般の常識と異なる部分もあり、ときには間違えてしまうこともあります。真宗の常識1つ1つには大きな意味(理由)があります。大切なのは気持ちであり、形式は徐々についてゆけば良いのではないでしょうか。ときには他人への思いやりも必要です。特に弔問するときの作法では故人や御家族の宗派のしきたりを尊重する気持ちも必要と感じます。

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2 Responses to “お作法”

  1. 1. 藏重 浩次 Says:

    私の行きつけの飲み屋にたまに来る、暴れてこまる人がおり、本人は浄土真宗大谷派だと、豪語しています。僧侶免許携帯等の決まりはないのでしょうか?

  2. 2. 管理人 Says:

    はじめまして。
    程度は分かりませんが、飲み屋で暴れるのは迷惑ですね。
    本当に僧侶であったとしたら恥ずべき行為です。
    携帯できるような免許は持っていないのではないかと思います。
    詳しくは分かりませんが。

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